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2011 10,29 00:09 |
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遠い南の島に日本の歌を歌う老人がいた。
「あそこでみんな死んでいった…」 沖に浮かぶ島を指さして老人はつぶやいた。 太平洋戦争のとき、その島には進駐した日本人の陣地が作られた。 老人は村の若者たちと共にその作業に参加し、仲良くなり、日本の歌を一緒に歌ったという。 やがて戦況は日本に不利となり、いつ米軍が上陸してもおかしくない状況となった。 仲間たちと話し合った彼は、代表数人とともに日本の守備隊長を訪れた。 自分たちも一緒に戦わせて欲しい、と。 それを聞くなり、隊長は激昂しさけんだという。 「帝国軍人が貴様ら土人と一緒に戦えるか!」 日本人は仲間だと思っていたのに、所詮みせかけだったのか。 裏切られた気持ちで、悔し涙を流した。 船に乗って島を去る日、日本兵は誰も見送りに来ず、村の若者達は悄然と船にのりこんだ。 しかし船に乗り込んだ瞬間、日本兵全員が浜に走り出てきた。 そして一緒に歌った日本の歌を歌いながら、手を振り彼らを見送った。 その先頭には笑顔で手を降るあの隊長が。 その瞬間、彼は悟ったという。 あの言葉は、自分たちを救うためのものだったのだと。 PR |
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